第63次 技術・家庭科教育全国研究大会

主催: 産業教育研究連盟,後援:福島県教育委員会 郡山市教育委員会

大会テーマ
『巧みな手、科学する頭、人と人を結ぶ心を育む技術教育・家庭科教育』

大会要項パンフレット(pdf, 417kbyte )

大会は終了致しました。ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました。
なお、大会の内容は産教連通信(No.198,No.199)に掲載いたします。
ぜひご覧下さい。

大会の柱

  1. 今の技術教育・家庭科教育の問題点について情報交換し、今後どのように進めていくべきかを幅広い立場から検討します。
  2. 新学習指導要領の内容を実践的に検討しながら、教科のなかで子どもに真につけさせたい力を探ります。
  3. 子どもをひきつける教材についてさまざまな角度から検討し、魅力ある授業の内容と方法を探ります。

プログラム


8月3日(日)
9:30〜11:00 実践講座
教職に就いて間もない人や免許外の人にも対応した入門講座です。 小テーマ・小題材の学習会として、教材の魅力と授業の展開のおもしろさを探求します。ときには実技も交えながら討論していきます。

A 「布加工のコツ」 担当 根本裕子(常任委員)
「生物育成」の授業でお悩みではありませんか?生物育成に恵まれた環境の学校がある反面、「耕地がない」、「プランターを置くスペースがない」、「授業中大勢の生徒が・耕地に移動するとクレームがある」など悩みを抱えている方も多いことでしょう。
 この分科会では、生物育成の授業をわくわくさせるための工夫、授業スタイルのあり方、校内でどのように教職員の協力をとりつけるかなど、意見交換をします。そして、産教連で以前から議論されている食と農の実践のあり方について討論します。

B 「木工指導の勘所」 担当 下田和実(常任委員)
家庭生活の中で工具を使って物づくりをする機会がほとんどなくなった今だからこそ、生徒に経験させたい木工。うまくできたという自信を持てるように、どんな工具を用意し、どのように指導すればよいか、工具の選択、使い方、手入れ、保管方法などを具体的に示し、実習します。

12:00-    受付開始

13:00-13:55 基調提案

14:00-15:45 講演 「放射能災害と科学の問題」 講師 清水 修二 (福島大学経済経営学類教授)
福島原発の大事故は、放射線の健康影響をめぐる見解の違いから、人々の間に悲劇的ともいえる対立や分断をもらたしています。こういうときこそ科学的で冷静なものの見方が重要であるのに、科学や専門家の権威は大きく損なわれてしまっています。どうしたらこの混乱を乗り越えることができるか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。

16:00-17:30 教材・教具発表会
日頃の実践から考えられた手づくりの教材や教具の発表会です。模擬授業形式で紹介されるものもあります。常時展示コーナーも有り。とっておきの教材や教具をご持参ください。

18:00-20:00 夕食・交流会 要・事前申込
夕食の時間を利用して交流会を行います。分科会では話せなかったことや体験・愚痴など老若男女が気楽に語ります。そこから思いもよらぬ発想、展開が浮かぶかも知れません。
* 宿泊者でなくても参加できます。その場合食事代は 6000 円です。申込書に記載してください。

8月4日(月)
9:00-12:00 テーマ別分科会T
1.「食と農」
 作物を栽培し加工して食べるということは、生きるための最も基本的な技術です。ここには子どもたちに学ばせたいことがたくさんありますが、限られた時間の中でどんな授業ができるのか。1 時間の授業で調理実習を行う工夫は? 評価は? など。収穫物を調理する技と家のコラボレーションの実例や施設・用具・材料の準備や学校ごとに異なる条件をどう活かすか、学校外の方との連携をどうするかなど意見交換します。

2.「電気・機械・情報」
電気、機械、情報などの工学的な分野は技術教育として大事な分野です。産教連では技術の原理をいかした教材の探究を重視してきました。生産技術について理解を広げるための基礎・基本とは何か、生徒の理解を促すにはどのように指導するのがよいか、それぞれ具体的な実践を出しあって検討していきます。光、音などを検知して制御する Ardu Block の実践報告も予定しています。

13:00-15:45 実技コーナー「匠塾」
授業にすぐに活かせる教材・教具を作ります。 「実践講座」 「テーマ別分科会」関連の実技的な内容を扱います。時間いっぱいかけてつくるものや2つ3つと取り組んで授業のネタや材料をいろいろ仕入れることもできます。以下の@〜Eは出店予定。当日持ち込み出店歓迎。写真は昨年の作品。 @低融合金を使ってアクセサリーを作る A安くて簡単! 制御教材Ardu Block B延長コード製作指導のいろいろ C木製テープカッター New バージョン D短時間でできるブックカバーや箸袋 E小麦粉の調理はおもしろい

16:00-17:30 福島の教育を語る ―報告と討論―
◆ 福島県喜多方市の「小学校農業科」成立から現在までを追った実証的研究の報告です。食育・食農教育・ 「生物育成に関する技術」のありかたを考えてみたい。
  報告 野田知子(東京学芸大学非常勤講師) 阿部英之助(和歌山大学教育学部)

◆ 東日本大震災と福島原発の事故は、地域や学校教育にどんな影響をもたらしているか。現職教員が自身の日常とその活動のなかでぶちあたる地域的な特徴や現実を生の声で語ります。マスメディアの報道だけではわからない話を聞くことができます。
報告 福島の先生方

18:00-18:45 産業教育研究連盟総会
 ぜひ会員になり,技術・家庭科教育を共に育てていきましょう.

8月5日(火)
9:00-12:00 テーマ別分科会U
3.「実験・実習を取り入れた授業」 9:00-11:00
実際にやってみる授業は映像では伝わらない実感があります。木材、金属、プラスチック類、糸・布・食品を素材にした実験や実習で、道具や機械と加工方法の選択と指導はどうしていますか。限られた時間の中でも「わくわくハラハラする授業を」 「これだけは身につけさせたい」という指導者としての視点や工夫があると思います。分科会では、実践例をもとに、わかる・できる・たのしい授業をめざして討論します。

4.「教育条件・評価」 11:00-12:00
評価をどうするかに神経を使い、 「何を子どもたちに伝えたいか」という教科観を振り返る機会がなかなか持てないということはありませんか。少ない教科時数のため受け持つ生徒の多くなることもあり、評価し易い、教え易い教材・授業が求められてもいます。教育条件に制約されることも多々あります。教育条件と評価について交流し、子どもたちにとってあるべき評価とは何かを討議します。

12:00-12:30 全体会
本大会のまとめと今後の課題など

13:30-16:00 見学会
日本三大疎水の1つである安積疏水と、丸守水力発電所を見学します。
丸守水力発電所    渡邊次翁之頌徳碑にて